夏コミの話

こんにちは、simtyです。夏コミお疲れ様でした!無事終わりまして気が抜けたところです。やっと寝不足が解消されてきました。

通販も始まりましたので、宜しければ覗いてみて下さい。今回は相方かすりさんの小説もあります。

かすりさんは今でこそサークルやRO、実生活でのパートナーですが、もともとは私がかすりさんの小説のファンでして、そういう人と一緒に世界観を共有しながら本を作れることを嬉しく思います。

前回の冬コミのあとにブログを書いていたことを思い出したので、今回もイベントや原稿期間中のことを振り返っておこうかなと思います。



原稿期間中の話


前回の本の短い漫画は屋外での話だったので、背景が森!木!テント!て感じだったのと打って変わって、今回は建物の中でのシーンが多くて、「建物、かけるのか…?」っていう不安がすごかったです。

基本的に定規と相性が悪いのでフリーハンド人間なんですが、「まっすぐ線引くのって難しいな…」みたいなことを考えていました。定規を使おうよ。いや使いたくない。定規で線を引きたくない…!

なにはともあれ、背景がいい感じに見えていたら幸いです。

かすりさんからプロットをもらった時に自分の頭の中で想像したものが、軒並み「これは時間かかるぞ…」みたいなコマばっかりだったので、そういう焦りもあっていつもより早めに取り掛かれた気はします。ただやっぱり締め切りからはギリギリまで逃げたいタイプなので、入稿自体は1分1秒を争う感じでした。一度でいいから前日に入稿とかしてみたいですね…。

終盤、表紙の作業をしていた時、気が狂ったようにクラッシュバンディクーレーシングのBGMを延々流していたことをなぜかすごく覚えています。あと東方の原曲を紅魔郷から順に流して、一作ぶん終わるごとに休憩を取ったりしていました。だいたい4面あたりでしんどくなる。

作業BGMは、始めの方は洋楽とかスガシカオを流しがちなんですが、作業終盤になるとアニメやゲーム系を流しだす傾向にあります。なんでかな。DNAになじむ曲の方がゾーンに入れるのかもしれないですね。ROはもちろん、イニシャルDのユーロビートメドレーとか皆勤賞です。あとは遊戯王のOSTとか、ポケモンとか…ペルソナとか…。

さておき、今回は原稿期間中に「これはやって良かった」「これは失敗だった」というのが明確にいくつかあったので、次回の原稿を取り組む自分への戒めとしてまとめておこうと思います。


失敗したこと

表紙を先に作らなかった

これはまじでだめ!次はぜったいに先に作ってくれ!

表紙が出来ていない焦りがどれほどまずいかを身をもって知っているのに、過ちを繰り返してしまった…。分かっててする失敗の方が悪質ですね。

この前の時は焦りを見越して先に作っておいたのに、今回は表紙に取り掛かったのが締め切り3日前とかで、本文のトーン作業とかもまだ終わってなくて、仕上げ作業ももちろんまだ……!という焦りがすごい状態でした。次の時は本文に集中できる環境をちゃんと作っておいてほしい。


原稿合宿のあとに息切れした

7月の中頃に、同じく夏コミの締め切りをかかえた友人と我が家で3泊4日の原稿合宿をしたのですが、その合宿の間に作業がめちゃくちゃ進んだんですよね。その3日だけで全体の工程の10~20%ぐらいは終わったかなという体感で進みました。原稿合宿はめちゃくちゃ進むということが分かって、それは良かった。けど、合宿が終わったあとやる気を出すのが難しい…!

原稿合宿前は「合宿までにここまで終わらそう!」「友人がチラッと見ても恥ずかしくない程度に紙を埋めとこう!」とかそういう心理が働いて良い感じだったんですが、友人が帰ったあとのことをもっと考えておくべきだった…。

なまじ合宿でいっぱい進んだなーという体感があったせいで、これ間に合うのでは?という気持ちにフワッとなってしまって進捗が悪い日が数日続き、これ、あとであの時もうちょっとやっておけば……ってなるんだろうなあと思ったりしました。なりました。分かっていた。

でも原稿合宿自体はとても楽しかったです。またやりたい。ともだちの原稿やってるところを見るのがまず新鮮だし、隣で友人が作業してると自分もやらなきゃと思って捗りますね。夜2時ぐらいにコンビニでコーヒーとおやつ買ったりもしました。今回の失敗をふまえつつ次も原稿合宿できたらなーと思います。


終わりが見えているときが一番きつい

どの原稿でもそうなんですが、今回は特に白紙の枚数が残り3~5枚ぐらいのときがめちゃくちゃしんどかったです。終わらない終わらない言いながらヒーヒー描いてるときより、頂上が見えてるときにぐっと登るのがしんどいタイプなのかもしれないです。みんなそうなのかなー。やれば終わるんだろうけど、やらなきゃ終わんないんだよなー。

これはもう対策のしようがないので、織り込み済みで作業するしかないのかな。終わりが見えてきたら全ページ1コマだけ描いておくようにするとかして、白紙に対して気が重くならないようにするとか。あとはご褒美におやつを用意するとか…。



良かったところ

・下書きを省いた

私は液タブを使っているにもかかわらずデジタルで線が引けないアナログ人間で、さらにペンもあまり好きでないのでシャーペンで線画を作っており、基本的にトーン作業まではすべてアナログです。

普段は、

  • ネーム → 下書き → 下書きをトレスして線画を作る → デジタル作業へ

という流れなんですが、今回は、

  • ネーム → ネームを拡大コピー → ネームのコピーから線を吸って清書 → デジタル作業へ

というスタイルで原稿を作りました。

下書きを省こうと思うとネームの時点でそこそこキャラと背景のアタリがついていないといけないので、初めから下書きを省くつもりでネームはいつもよりきれいめに描きました。

思うに、同じ絵をネーム、下書き、清書と3回も描くのは、いくら推しキャラと言えど飽きてくる…!

最後に残るのは清書の時の一番飽きている絵になるので、出来れば新鮮な気分で描いている絵を使いたいと思って下書きを省いてみたのですが、これは結果的に時間の短縮にも繋がって良かったです。ペン入れする人には下書きなしはしんどいと思うので、ペン入れしない人にしかおすすめできないけど…!(アナログ原稿でそんな人いるのか?)

あとは、ネームの時に小さめのサイズで描くのは良かったけど、いざ下書きするときに絵が大きくなってバランス取りづらい!っていう現象、よくあると思うんですが、拡大コピーしたネームが下地なのでバランスをとるのに苦労せずに済みました。デジタルだったらキャンバスを縮小すればいいだけなんですけどね…!

自分の場合は下書きのあるなしで劇的に絵の出来が変わったりしないことが分かったので、これからも積極的に省こうと思います。ネームの時間はかかるけど!

ちなみにネームと線画の実物はこういう感じです。ネームはA5より少し小さいサイズ、線画はB5 用の原稿用紙です。実際の本はA5なので原寸より少し小さくなります。ここにトーンが乗って、写植が入って、仕上げにホワイトとか効果とかが入る感じです。

ネーム、これできれいなの!?て感じですが、いつもよりめちゃくちゃキレイです。普段のネームはまず字が読めないのでね…!


集中アプリと原稿の相性が良かった

基本的に継続することが苦手なタイプで、毎日コツコツちょっとずつ…みたいなことが出来ないんですよね。でも原稿ってそういう継続力がないといつまでたっても本文が終わらないので、なんでもいいから何か続けられる方法がないか…と考えたときに、毎日データで作業したことが残るアプリがあったらいいなと思って、集中のためのアプリをスマホに入れました。どんなアプリかはリンク先で読んでみて下さい。

シンプルなアプリですが、かゆいところに手が届く仕様で良いです!

毎日通知してくれるとか、タイマーが終わっても終了ボタンを押すまで時間の記録が継続されるところとか、グラフで見返しやすいところとか。

私の場合、表紙のようなイラスト作業はタイマー無しでも集中出来るんですが、区切りをつけづらい本文作業に取り掛かっているときにタイマーが真価を発揮していました。

タイマー無しだと、一コマ終わるたびに「あ~できたできた~!!イェ~~!!」となって集中が途切れるんですが、タイマーしてる間は一コマ終わろうがとにかく次もやるという感じで、気が抜けていまうことへの抑止力になったかなと思います。

私は60分集中して10分休憩というのを延々繰り返していましたが、自分のことをロボットだと思ってこのアプリの言う通りに体を動かしていました。文章にするとやばいですね。

これが私の7月の原稿の記録なんですが、仕事でもちゃんと作業している日と、休みでも全然進んでいない日があることが分かったので、締め切りまであと何日休みがあるのか数えるのは、自分の場合あんまり意味がないな…?と思いました。でも数えちゃうよね。

最後の方ぜんぜん作業していない日が続いているのは表紙作業に取り掛かっていたためです。イラスト作業のときはタイマーがあると逆に邪魔なんですよね…。ふしぎ…。

ちなみに、12日からの成績が良い3日間が原稿合宿をしていた時の記録です。この3日が無かったら新刊落ちてたなあ。


  • Throw Memoが優秀

アプリの話が続きますが、私は「Throw Memo」というふせん的なアプリを結構前から愛用しており、今回はこれに助けられることが多かったです。

こういう感じで、画像や文字を貼りつけられるアプリなんですが、下のタブで3つあるボードを切り替えることが出来るので、ボードごとに書くことを分けて使える感じです。

画像の通り1つ目のボードは今年描いたまともな絵が貼ってあるんですが、

こういう感じで2つ目のボードには思いついたこととか、無配のネタになりそうなことを文章で書き留めてます。あとは描きたい絵のラフとかを画像で貼っておいたりもします。ネタ帳みたいな感じですね。恥ずかしいのでぼかしました。

ちなみに3つ目のボードは今までもらった感想等のスクショをまとめているので割愛します。作業中一番お世話になるボードです。うまく描けなくて心がバキバキになった時に励まされています…。ありがとうございます。

今回の原稿中は、もう絵を描くのは無理だけど寝転がって字を打つことなら…というときに無配用の文章や漫画のネタをこのアプリに書き留めていたので、脱稿後のボケボケの頭でも無配を作れました。脱稿前後からイベントまでの数日は合計の睡眠時間が20時間程度しかなくて、とても文章を考えられるほど頭が冴えていなかったので、過去の自分に助けられた感がすごかったです。「よくわかんないけどもう出来てるなこれ…」という感じで同じく過去の自分が作ったテンプレに文章を流し込む…みたいなことをしていました。次回はもっと健康的な原稿生活しよう。続けると死にますからね…。

というわけでなぜか便利なアプリ紹介記事みたいになってしまいましたが、このアプリはかなり直感で使えて勝手が良いので個人的に気に入っています。おすすめ。

以前はiPhoneのデフォルトのメモ帳を使っていたんですが、

  • 書き留めたことをさらっと見渡せる
  • 画像が貼れて、レイアウトがきれい

この2つでデフォルトのメモ帳より気に入ってます。画像を貼るのはデフォルトのメモ帳でも出来るんですが、こちらのアプリの方が画像も含めて今考えていることの全容をさくっと確認できて、メモ1つ1つの移動もふせんのような感じなので、なんというか、ノートを作るような感覚で使っています。そういう行為が好きな人はぜひ。




  • ハンドマッサージャーのおかげで手が痛くなかった

神の器具!

私は鉛筆の持ち方が若干おかしいので、長時間ペンを握っていると親指の付け根がしびれて痛くなってくるため、いつも原稿の後半はそれとの戦いになってくるんですが、これのおかげで今回ほんとうに手が楽でした。あんまり安くないのが良くないところなんですけど、これからずっと使えるので、手が痛いより絶対いいかなと思います。

ちなみに10分で勝手に電源が切れる親切な仕様なので、休憩の時に使うと「もう10分経ったか…」という感じで使えてちょうど良かったです。多分寝ながら手を揉まれ続けることが無いように…という仕様だと思うんですが…。

左手を揉んでもらいつつ右手でTLを見たりするのがいい休憩になりました。これからも活躍しそうだなー。



というわけで、以上が良かったことと良くなかったことのまとめでした。次の原稿の時はだめだったところを改善できるように気を付けたいと思います。

前回と違って徹夜の日が2回ぐらいあったのが一番だめなところなので、次回はそれだけはやめようと思います。死ぬのでね!


それでは、また気が向いたときに何か書こうと思います。

あらためて、夏コミ、来てくれた方々ありがとうございました。通販注文してくださった方もありがとうございます。

かすりさんと自分の会話の中にしか存在していなかったものが形になって、それを手に取ってもらえるのは本当に嬉しいことだなあと思います。ジェンとクロウのこと、自分たち以外に知っている人がいるんだな…と不思議な気持ちです。これからも気長に続けられたらいいなあ。

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